美しいピンク色が印象的なロゼワイン。赤ワインと白ワインの間に位置する「第3のワイン」として、世界中で注目を集めています。
でも、ロゼワインとは?
爽やかで軽やかな飲み口と華やかな見た目で、カジュアルに飲んでみたい女子にピッタリのロゼです。しかし、赤や白に比べて情報が少なく、「結局どんなワイン?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ロゼワインの基本的な特徴から製法、味わいの種類、料理との合わせ方、そしてカジュアルに飲みたい女子におすすめの銘柄まで、ロゼワインの魅力を紹介します。
ロゼワインの魅力を知れば、きっとあなたも日常に取り入れたくなるはずです。
ロゼワインとは?赤でも白でもない“第3のワイン”
ロゼワインは、赤ワインと白ワインの間に位置する美しいピンク色が特徴的な「第3のワイン」です。一般的に、赤ワインよりも軽やかで白ワインよりも果実味が豊かな味わいを持っています。
ロゼワインの魅力は、そのカラフルな色合いだけではありません。赤ワインのフルーティーさと白ワインの爽やかさを併せ持つバランスの良さがあります。
その色は淡いサーモンピンクから鮮やかなルビーレッドまで多岐にわたり、使用するブドウ品種や製法によって大きく異なります。
特にフランスのプロヴァンス地方やスペイン、イタリアなどが有名な生産地として知られていますが、近年では世界中で様々なタイプのロゼワインが造られるようになっています。
「ワイン ロゼ とは」と検索する人も多いですが、簡単に言えば、ロゼワインは赤ワイン用のブドウを使いながらも、果皮との接触時間を調整することで中間的な色と味わいを実現したワインです。
ロゼワインの作り方|4つの製法を簡単に紹介
ロゼワインの作り方に興味を持っている人が多いようです。ロゼワインは複数の製法によって生まれます。主な方法は以下の4つです。
- 直接圧搾法(ダイレクト・プレス法)
- セニエ法
- 混醸法
- ブレンド法
ロゼワイン 作り方で最も重要なのは、果皮との接触時間のコントロールです。この時間が長ければ色が濃く、短ければ淡い色で軽やかな味わいになります。このわずかな調整がロゼワインの多様性を生み出しているのです。
直接圧搾法(ダイレクト・プレス法)
黒ブドウを原料として、白ワイン同様に造られる製法です。黒ブドウを収穫後すぐに圧搾し、果皮と果汁の接触時間を短く抑える方法です。
淡いピンク色で繊細な風味のロゼワインができあがります。特にフランスのプロヴァンス地方で多く用いられる伝統的な製法です。
セニエ法
「セニエ(saignée)」とはフランス語で「出血」を意味します。黒ブドウを原料として、赤ワイン同様に造られるロゼワインの製法で、赤ワイン製造の初期段階で一部の果汁を抜き取って造る方法です。
果皮の接触時間がやや長く、この手法で造られるロゼワインは、一般的に濃い色合いのワインが多いのが特徴です。
混醸法
黒ブドウと白ブドウを一緒に発酵させる方法で、セニエ法とほぼ同じように造られます。比較的少数のワイナリーで採用されている製法です。
ブレンド法
完成した赤ワインと白ワインを混ぜ合わせる方法です。EU諸国ではシャンパーニュ地方のロゼシャンパンを除いて法律で禁止されていますが、新世界(アメリカやオーストラリアなど)では一部で実践されています。
ロゼワインの味わい|甘口・辛口・スパークリングの特徴
ロゼワインには、甘口から辛口、スパークリングタイプまでさまざまなスタイルがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
デザートとの相性がよい甘口
甘口のロゼワインは、フルーティーで爽やかな甘さが特徴です。ワインを飲み慣れていない人でも、飲みやすいのが特徴です。
デザートやフルーツとの相性がよく、アペリティフ (食前酒) としても人気があります。ポルトガルのマテウス・ロゼが有名です。
和食にも合わせやすい辛口
辛口のロゼワインは、フルーティーでありながらもキリッとした酸味が特徴です。ワインによっては、微かな渋みも楽しめます。
幅広い料理に合わせやすく、特にみりんを使った煮付けなど、和食との相性もよいです。辛口では、プロヴァンスのロゼが有名です。
スパークリング・ロゼ
華やかな見た目と爽やかな泡で、特別な日にもピッタリなのが、スパークリングのロゼです。場が華やかになるので、女子会におすすめです。
フランスのシャンパーニュ、イタリアのプロセッコ、スペインのカバは、世界三大スパークリングと呼ばれていますが、それぞれにロゼがあるので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
前菜や軽いフィンガーフード、生ハム、フルーツ系のデザートと相性がよいのが特徴です。
アンチョビ巻きオリーブも合いますよ。アンチョビは塩抜きしています。

【休憩】シャンパーニュの呼び方
大日本ワイン界は、フランス訛りのワイン用語が大好きです。カジュアルワイン女子としては、どう呼んだらいいの?と思うかもしれません。
うっかり「シャンペン」なんて言ったら、おじさんにマウント取られるんじゃないの?とか思いますよね。
実際は各国それぞれの言語で呼んでます。
フランス語の場合は、シャンパーニュ地方 (la Champagne, 女性名詞)と飲み物 (du champagne, 男性名詞)で、切り分けることができます。
日本語には冠詞や性がないので、シャンパーニュ地方のシャンパーニュという、落ち着かない表現になる場合もあります。
次は英語です。無理やりカタカナで書くと、シャムペイン (Champagne) という感じです。ひと時代前の「シャンペン」が、かろうじて近いかもしれません。
私の大好きなスペイン語では、チャンパン (Champán) です。昔はスパークリング全般をチャンパンと呼んでましたが、フランスにえらい怒られまして、現在は原産地呼称のシャンパーニュに対する呼び名です。
つまり、なんでもよいです。カバをシャンペンと呼んだり、スプマンテをシャンパーニュと呼んだりしなければよいのです。
どんな料理に合う?ロゼワインとペアリングの基本
ロゼワインは、幅広い料理と合わせやすいのが魅力です。「迷ったらロゼ」と言われるほど、ペアリングに困りにくいのが特徴です。
私は大のスペインびいきなので、パエリアと合わせるのが大好きです。ロゼは魚介類や鶏肉とも合うので、パエリアとの相性も抜群です。

地中海料理との相性
ロゼワインは地中海沿岸で多く生産されています。ラタトゥイユ、トマトベースのパスタやピザ、ギリシャ風サラダなど、同地域の料理との相性はとても良いです。
シーフードとの組み合わせ
軽やかでフルーティーなロゼは、様々なシーフード料理との相性が抜群です。エビのグリルやシュリンプカクテル、焼き魚やロブスターなどと合わせるとおいしく飲めます。
和食とも相性がよいです。みりんをつかった魚の煮付けは、辛口のロゼと相性がとてもよいので、おすすめのペアリングです。
肉料理との組み合わせ
辛口でしっかりめのボディのロゼワインは、軽めの肉料理とも相性がよいです。生ハムやサラミ、ハーブを使ったグリルチキンなどです。特に外でBBQのときは、ロゼを1本持っていくとよいと思います。
スパイス料理との相性
フルーティーな甘みを持つロゼワインは、適度なスパイス料理と組み合わせると互いの良さを引き立てます。
適度というのがポイントでして、カレーや激辛四川料理 (中国では重慶が激辛代表)など、香辛料が強い料理は負けてしまうので注意が必要です。タイ料理やベトナム料理、メキシコ料理とは相性がよいです。
チーズとの組み合わせ
モッツァレラやリコッタなどのフレッシュチーズ、カマンベールやブッラータなどのクリーミーなチーズとの相性がよいです。
ロゼワインの飲み頃な温度
ロゼワインの飲み頃の温度は、そのスタイル(甘口・辛口・スパークリング)やボディによって異なります。一般的な辛口タイプで、8-12℃とされています。
- 甘口:6-8℃
- 辛口 (ライト):7-9℃
- 辛口 (ミディアム):9-11℃
- 辛口 (フル):10-12℃
- スパークリング:6-8℃
いろいろなところで調べると、1-2℃ずれていることがあります。基本的に甘口とスパークリングは低く、辛口はフルボディに近づくに従って温度が上がると考えればよいです。
私はアイリスオーヤマの8本入りワインセラーにロゼワインだけを入れています。セラーから出すと温度が上がるので、8℃に設定しています。

フルボディのロゼは、あまり多くはありません。そもそも、ボディという概念自体が曖昧です。ワイン屋さんのサイトや本を読んでも、スッキリ分かる説明はありません。
ラベルの裏にフルボディと記載されていたり、ワイン屋さんのコメントでフルボディと記載されていても、自分が飲んで表記どおりに感じるかは分かりません。
【休憩】えっ、デキャンタージュ?
大日本ワイン界は、フランス訛りのワイン用語が大好きです。ワインをデキャンタと呼ばれる容器に移し替えることをデキャンタージュと呼んでいます。
香りを開かせたり、酸味や渋みを緩和させたり、澱の除去のためにデキャンタージュをするのですが、そんなフランス語はありません。
フランス語では、動詞のdécanter、或いは、名詞の la décantation です。大日本ワイン界が、勝手に接尾辞 -ageを付けたのだと思います。

よっしゃ、マウント取ってやるニャ!



そもそも、おじさんと飲まないほうがいいよ
カジュアルワイン女子におすすめのロゼワイン 5選
おすすめのロゼワインを探しているカジュアルワイン女子の向けて、日本で買いやすく、飲みやすいロゼワインを紹介します。
スパークリングは、シャンパーニュのロゼがおいしいのですが、それなりのお値段 (7,000円以上)がするため、今回は外しています。
ミラヴァル・ロゼ (フランス プロヴァンス)
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが所有していたことで有名なワイナリーで造られる上質なロゼワインです。ちなみに、現在はブラッド・ピットが所有しているようです。
エレガントで繊細な味わいと美しいボトルデザイン、ブランド性も相まって人気を集めています。サーモンピンクの淡い色合いで、白い花や赤い果実の香りが特徴です。


マトゥア・ロゼ(ニュージーランド)
ピノ・ノワールを主体に造られる爽やかでフルーティーなロゼワインです。
イチゴやラズベリーの香りが豊かで、適度な酸味とのバランスが心地よいです。スクリューキャップなので開けやすく、カジュアルな場面でも気軽に楽しめます。アウトドアにぜひ。
ジェイコブス・クリーク マスカット・ロゼ スパークリング(オーストラリア)
オーストラリアを代表するワイナリー、ジェイコブス・クリークが手掛ける甘口タイプのスパークリングロゼです。
マスカット種とその他の黒ブドウをブレンドし、マスカットの甘い芳香と赤い果実の風味が絶妙に調和しています。美しいピンク色の泡立ちと、はちみつのようなほんのりとした甘さが特徴で、フレッシュな酸味とのバランスも良好です。
アルコール度数も低めで、スパークリングワインを飲み慣れていない人や甘口好きの女性に特におすすめです。デザートとの相性も抜群で、フルーツタルトやチョコレートなどと合わせると、より一層その魅力を楽しめます。
シャトー・メルシャン アンサンブル・ロゼ(日本)
日本を代表するワイナリー、シャトー・メルシャンが手掛けるロゼワインです。
マスカット・ベーリーAとメルローをブレンドし、繊細な酸味とフルーティーな香りが特徴です。和食との相性も良く、日本人の味覚に合うように造られています。
トーレス・ヴィーニャ・エスメラルダ・ロゼ(スペイン)
トーレス社が手掛ける、より繊細で香り高いロゼワインです。白いラベルのデザインも上品で、プレゼントにもよいと思います。ラベル買いでも損しないコスパなワインです。
ブドウ品種はガルナッチャです。バラやリンゴ、桃などのフローラルでフルーティーな香りが特徴的です。微かな甘みと爽やかな酸のバランスが絶妙で、エレガントな味わいを持ちます。
まとめ|ロゼワインの魅力をもっと自由に楽しもう
ロゼワインは、カジュアルに飲むスタイルが定着しているワインです。海外では夏ワインのイメージですが、日本ではお花見でしょうか。
実際は季節を問わず楽しめるのが、ロゼワインの魅力でもあります。夏はビーチで飲んでもよいですし、冬は鍋を相手に冷やしたロゼを飲むとおいしいです。
私はダイビングをするのですが、ダイブショップにロゼを持ち込んで冷やしてもらうこともあります。ダイビングが終わった後に、よろしければで一緒に潜った人と飲みます。ダイビング後は、甘口を選ぶことが多いです。
また、赤ワインの渋みが苦手な人にもおすすめです。ロゼワインは、飲み慣れていない人でも親しみやすく、ワインの入口としても最適です。
ワインは嗜好品です。好きな料理と合わせて、自由に楽しむのがよいと思います。